テクニカル分析で株式投資の勝率アップ?

はじめまして!KxShare株式会社、共同創業者の磯野です。KxShare創業前は新卒で野村證券に入社して全国のセールスに対する株式マーケティング業務を4年間、年金基金に対するコンサルタント業務を3年間やってきました。今回は株式の仕事していた時の経験を基にコラムを執筆しています。
早速ですが、本日のお題「テクニカル分析」です。テクニカル分析とは過去の値動きをチャートで表して、そこからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価動向を予想する手法です。巷ではテクニカル分析は意味がないなどと言われることもありますが、実際はどうなのでしょうか。私の意見は「テクニカル分析単独で株式投資で儲けることは難しいが、テクニカル分析を活用することで株式投資のパフォーマンスを向上させることができる。」です。
テクニカル分析は意味がない?
テクニカル分析という手法に対してはこんな批判があります。「実際の相場は過去のパターンと必ずしも合致しない」、「突発的な出来事に対しては対応できない」、「売買シグナルは実際の動きからは少し遅れる」、「売買シグナルに騙しがある」、だからテクニカル分析には意味がない! こうした批判自体はもっともです。しかし、テクニカル分析も何かしらの役に立っていたからこそ長年多くの投資家に愛されてきたという視点も見逃せません。テクニカル分析はまるっきりオカルトではなく相場に関わる投資家心理の反映でもあります。なので一定の再現性があります。株価チャートの反対側にいるのは、得体のしれない何かではなくあなたと同じ人間です。いやいや、最近はアルゴリズムによる自動売買が盛んだからチャートに投資家心理は反映されにくいはずだ。しかし、そのアルゴリズムを動かすためのプログラミングコードを書いているのは誰でしょうか?そう、コードを書いているのもあなたと同じ人間です。個人投資家でもヘッジファンドでも投資という営みは最終的にすべて人間に行きつくのです。であれば投資家心理の分析であるテクニカル分析からも何か読み取れそうな気がしてきませんか?
ファンダメンタル分析の欠点
テクニカル分析と対する概念として「ファンダメンタル分析」があります。ファンダメンタル分析とは相場の大きな方向性を掴むために景気動向、金融政策、財政政策、個別企業の財務情報、経営戦略などの変化が株価にどのような影響を及ぼすのか分析する手法です。
実はこんなコラムを書いている私自身も基本的にはファンダメンタル分析重視の立場です。しかし、ファンダメンタル分析も完全ではありません。
まず問題になるのは時間差です。例えば、実際の店舗の売上は毎日変化しますが、投資家がそれを確認できるのは月次報告や四半期毎の決算短信が発表されるタイミングです。実際の売上の変化から投資家の認識できるまではどうしても1~4ヶ月程度の時間差があります。GDPや消費者物価といったマクロ指標についても時間差の問題は同じです。しかし、株価の動きは決算や経済統計の発表日まで待ってくれるでしょうか?
株価自体もファンダメンタルから推定される適正水準からオーバーシュート(行き過ぎ)する傾向があります。つまり好材料が続く銘柄はバリュエーションが正当化できないほど割高になり、悪材料が続く銘柄が極端に割安になったりすることがあるのです。売上成長率が10%を下回っているのにPER100倍台の異常な割高銘柄! 黒字で不動産等の優良資産も保有しているのにPBR0.5倍で見捨てられているような割安銘柄! 皆さんもこんな銘柄を見たことがあるかもしれません。理論を重視するファンダメンタル分析ではこうした理屈に合わない株価のオーバーシュートを予想することが出来ないのです。オーバーシュートによる株価上昇を取り逃してしまった(割高だと思って早めに売ってしまった)。損切のタイミングを見誤って損失が拡大してしまった(既に株価水準は理論的には割安な水準にあるので保有継続したところさらに株価が値下がりしまった)。ファンダメンタル分析だけに頼っているとこんな目に合ってしまう可能性が高くなります。
テクニカル分析とファンダメンタル分析の合わせ技
テクニカル分析だけ、ファンダメンタル分析だけでも完璧で張りませんね。でもそれぞれの手法にも長所があります。それなら両方の強みを合わせて欠点を補えばもっと株式投資のパフォーマンスが良くなると思いませんか。私の場合は以下のような方法を好んで使っていました。
新高値銘柄と個別銘柄分析の組み合わせ
株価分析ツールのスクリーニングツールで新高値をとった銘柄をピックアップ。その中から調査を行い成長性が優れている銘柄に投資。
例:新高値をとった健康食品会社を調査したところ、バリュエーションはPER30倍と若干割高であったが売上・利益ともに年率20%超の成長を達成。その会社の製品のネット上の評判も良好だったため、投資開始を決定。その後株価は1年で3倍に上昇。
イベントと一目均衡表の組み合わせ
なんらかのイベント(決算発表・会社リリース・ニュースなど)が発生した銘柄を経過観察し、一目均衡表の節目に到達したタイミングで売買。
例:長らく株価が低迷していた石油会社。原油価格の底打ちが新聞・テレビで報じられ始めるも株価は2ヶ月ほど横ばいが続く。経過観察を続けていたところ、一目均衡表の雲を抜けたので投資開始。その後1ヶ月で株価は30%上昇。
マクロ環境と日経平均株価の騰落レシオ
マクロ環境のファンダメンタル分析で相場全体の大まかな方向感を見定めた上で、日経平均株価の騰落レシオを判断基準として日経225先物を売買。
例:各種経済指標の底打ちから景気回復と株価上昇トレンドを予想。しかし、株価自体は乱高下が続く。日経平均株価の騰落レシオ(25日)が80を下回った時点で日経225先物の買い、騰落レシオ(25日)が110を上回った時点で決済、といった短期トレードを繰り返し。
上記の手法は、あくまで私が使ってみてよかったなと思ったものです。学術的な裏付けがあるわけではないですし、当時と今では相場環境も異なります。必ずしも再現性がない点は注意してください。人間関係と同じでテクニカル分析もファンダメンタル分析も個人の性格・制約・タイミングに応じた相性があるのです。私が上手くいった方法があなたにも合うとは限りません。だからあなたに合ったパフォーマンスが上がりやすい分析手法を探してみてください。
私の使った分析手法についてはまた別のコラムで詳細を紹介していきたいと思います。先ほど必ずしも再現性がないといったばかりなのはひとまず横に置いといてください(笑)。興味のある方は是非そちらのコラムもご覧頂ければ幸いです!
まとめ
テクニカル分析は投資家心理の反映なのでうまく使えば役に立つ
基本はファンダメンタルズ分析を重視したほうがよい
テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を組み合わせることで勝率アップ!
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当社及び私の基本的なスタンスはあくまでファンダメンタル重視です!
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