資金管理の重要性

資金管理の重要性
KxShareの磯野です。投資において最も重要なことは何でしょうか。優良成長企業を見つけることでしょうか。テクニカル分析をマスターして売買タイミングの精度を上げることでしょうか。これらももちろん重要です。しかし、それら以上に、あるいは最も重要なものは資金管理であるといっても過言ではないでしょう。
投資に百戦百勝はありえない?
当たり前の話ですが、投資に百戦百勝はあり得ません。仮にあるとしたら百戦百勝を謳う投資家がいたとしたらその人は100%詐欺師です。ひょっとしたら未来予知ができて全ての相場を当てることのできる人がいるかもしれませんが、おそらく私にもあなたにも予知能力はないでしょう。
プロの運用者であって勝率6割ならば優秀、勝率7割であれば天才と言っていいでしょう。普通の投資家が人生の大半を市場分析に費やしているプロの機関投資家より精度の高い予想をできる確率は高くないでしょう。
これは余談ですが、勝率100%に近い投資手法も存在するにはします。それは自国通貨建ての国債、日本の場合は日本国債、を買って満期まで保有することです。これは国債を発行している国が戦争で敗れて他国に併合されたり革命がおこったりして国(政府)ごと消滅しない限り必ず戻ってきます。そのため金融の世界では国債の金利はリスクフリーレートと呼ばれます。ただし、リスクのない投資ですから期待リターンも低く、日本国債の場合であれば年率0.1%前後です。
資金管理の重要性
資金管理が上手くできないとどんなに分析力のある投資家でも高い確率で最終的に資産を大きく失います。具体例を挙げましょう。
あなたはリサーチの結果、A社の成長性に注目し全財産をA社の株に投資しました。貴方の目論見は見事辺りA社の株価は2倍になりました。全資産をA社に投資していたあなたの資産も2倍になりました。あなたは次にB社に注目しました。A社の株価に割高感を感じていたあなたはA社株を全て売却して今度はB社に全資産を投資しました。これもまた大当たり、B社の株価は3倍になりました。貴方の資産は最初の6倍です。あなたの次のターゲットは製薬会社のC社です。あなたは自分の分析力に絶対の自信を持っています。なにしろ1年足らずで資産を6倍に増やしたのですから。あなたはB社株を全部売却して全資産をC社に投資しました。C社の株価も順調に上がっていきます。もう+50%の含み益です。あなたはほくほくの笑顔です。ところがある日、C社の開発した新薬ミズムシナオールに深刻な副作用が発覚しました。一度でも服用すると水虫が治る代わりに5年後に100%髪の毛が抜けてハゲ頭になってしまうのです。ミズムシナオールは即座に販売中止、C社はこの問題を解決すべく必死の努力をしましたが力及ばず倒産しました。あなたはC社社長のカリスマ性と社員の優秀さを理解していたのでC社株を保有し続けていましたが、最終的にC社株は無価値になりました。そして、全財産がC社株になっていたあなたも無一文になりました。
これは極端な例ですが、いくら自分の分析に自信があるからと言って全財産をたった一つの銘柄に投じるべきではありませんでした。いくつか別の銘柄や現金、債券、不動産などに分散していれば途中の利益はある程度減る代わりに最終的にすべてを失うことはなかったはずです。
ひとつの銘柄を同じタイミングで売り買いするような雑な資金管理を行うと何らかのタイミングで大負けして資産を失ったままになることはよくあります。投資の世界で言われる「卵はひとつの籠に盛るな」の格言通り、分散投資を心掛けるべきでしょう。ここでいう分散投資には資産クラスや銘柄を分散させるだけでなく、投資のタイミングをバラけさせる時間分散の意味合いも含みます。
1点賭けの大勝負に出て勝つ姿は確かにカッコいいですし、成功すれば気持ちがいいのですがそれができるのは才能、実力、運の全てに恵まれたごく一握りの人だけです。自分が一握りの英雄ではなく凡人であることを自覚しながら、堅実な投資を行う人が最後に笑うことが多いのが投資の世界なのです。
参考書籍
コラム「新高値銘柄投資法」で紹介したDUKE氏の新著が出ました。この類の投資本は銘柄の選別法や売買のタイミングは解説していても資金管理については触れていないことが多いのですが、こちらでは具体的な資金管理についても分かりやすく説明されています。
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まとめ
- ・投資において百戦百勝は不可能。
- ・どれほど分析力があっても資金管理を誤ると大損することがある。
- ・資産クラス、銘柄、売買タイミングの全ての面で分散を図るべし。
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