雑談の一流、二流、三流【桐生稔】に学ぶ金融営業パーソンとしての心得①

雑談の一流、二流、三流【桐生稔】に学ぶ金融営業パーソンとしての心得①

KxShareの渡辺でございます。
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今回のテーマは「一流営業パーソンの心得①」。一流営業パーソン、と言葉にしても抽象的で、具体的にどのような人を一流営業パーソンと呼ぶのか不明瞭なところもあるが、今回は桐生稔氏の「雑談の一流、二流、三流」を読んでみた感想と、その中から私が金融営業において重要だと感じた点をピックアップし、具体的な事例と共にお話していきたいと思う。

「一流は共通点でも盛り上がり、相違点でも盛り上がることができる」

提案している内容が相手に響いていない時、何を話していいのか分からない時、そんな時営業パーソンは、相手との共通点を探し、次回以降のアポイントのきっかけにする。たとえば、ありがちなのが、出身地や出身大学、好きなスポーツ、趣味など。ありきたりな内容で構わないので、1つでも多くの共通点を探すことが営業パーソンにとっては必要不可欠である。大それた内容だと、知識面の不足が露呈するため、安易に「私も好きです!」というのは注意が必要である。共通点で盛り上がることは、普通の営業パーソンだと意識している。一方、意外にできないのが、相違点で盛り上がるということ。自分の全く興味のないことや、全く関係のない話をいきなり聞かされると言葉が詰まってしまい会話が続かないことがある。そのため、自分との相違点をヒアリングした際には、「へ~そんなことがあるんですね」や「どうして好きなんですか?」のように、相違点を自分の興味に変え、話を聞いてみるのが良い。また、次回までに○○さんの好きな○○について勉強してきます!の一言、次回会うときの第一声で、○○さんのお好きな○○について勉強してきました!と清々しく言える営業パーソンは強い。聞かれて嫌な人はいない。お客様の好きなことを好きになることが、営業の第一歩である

私が新卒で入社した証券会社では、お客様との面談後に、面談お礼をお手紙として出す風習があった。私自身は、その風習は好きで、その時の気持ちやお客様から教えてもらったことなどを文面に表し、感謝の気持ちを伝えるツールとしてこれ以上のものはないと思っていた。その手紙を書く時に意識をしていたのは、やはり、お客様との共通点について言及するということ。共通点というのは、人を一気に身近に感じさせるパワーを持っていると思う。手紙に書く内容をしっかり充実させるために、最低限これだけは聞くとあらかじめ決め、アポイントに挑んでいた。

ヒアリングの深度という言葉が出てきたが、一流の営業パーソンは具体的な質問をする
例えば、最近忙しいですか?ではなく、最近土日はお休みとれていますか?
趣味はありますか?ではなく、休日によくやっていることってありますか?
何か体に気をつけていることはありますか?ではなく、最近ジムいかれましたか?
今夜何食べましょうか?ではなく、今日の気分としては、さっぱり魚系ですか?それともがっつりお肉系ですか?
最近何か勉強していますか?ではなく、最近何か本を読みましたか?
など、具体的な質問をできる営業パーソンは、1回の質問で聞きたいことをヒアリングできる。会話を続けようとして、抽象的な質問をしてしまうことは往々にしてあると思うが、その場合においても具体的に聞くことを心掛けているだけで質問の内容は変わってくる。

また、一流はたとえ話をたくさんもっていて、それを用いて会話をしている。うちの家族はサザエさんみたいな家族です。うちの部長はジャイアンみたいな部長です。ちかくにザ・おふくろの味みたいな定食屋さんがあるんですけど、いかがですか?といったコメントが本書では紹介されていたが、これらのように、抽象→具体の話がうまいのも優秀な営業パーソンの特徴である。お笑い芸人の中でも、たとえ話がうまい人はみんなの笑いを持っていく。話一つとってみても、具体的なたとえを用いて、相手がイメージしやすいような話し方をすることは、相手との関係を近づけるポイントになると思う。形容がうまいともいえるかもしれない。

相手が経営者の方の場合。会話をするときは、○○社長はモチベーションが高いですよね。なぜそんなにモチベーションが高いんですか?その源泉はなんですか、のようにヒアリングをする人は一流であると本書ではコメントがある。どうしたらそのように?なぜそんなに?もう少し詳しくお話をお聞きしてもよろしいでしょうか?など。これも当たり前であるが、WhyとHowを使い分けながら質問をできる人は営業上手であると思う。ただし、やみくもに使っていいわけではなく、経営者の方があくまでも、気持ちよく話をしてもらえそうなトピックについて聞くというのがポイントである。聞かれたくないことに対して、どうして、なぜ?などと聞かれても嫌になるだけである。相手の好き嫌いを把握した上で話を聞こう。

また、会話において一流は、映像を思いうかべて話を聞く。映像を頭に思い浮かべて、自分もその場にいたかのように、いろんなことを想像する。
これは意外と難しいが、できればヒアリングの深度が増す。相手との会話を情景的に思い浮かべることで、その時に相手が何を考えたか、どのような気持ちだったのかを感じることができる。そうすることで、質問により深みが出る。一方、会話を描写して説明することができるのも一流の営業パーソンには必要なのかもしれない。話しているのは一人でも、一人で何役もして、映像にして見せる。Aさんがこう言った、Bさんがこう言った。だからこうだった、といったように、その場面の描写が伝わってくるかのような言い回しは意外とできない人が多い。

他にも『一流は一人質問をすることができる』と、本書では書かれてある。~だと思いません?普通は~ですよね。試したいと思いませんか?などである。だれもが知っているであろう、あのジャパネットの高田社長は、60分の中に18回、一人質問をいれていたというので驚きである。金融営業パーソンに置き換えると、相手がリスクである点、気にしている点をあらかじめ代弁してあげることも大切なことの一つかもしれない。このタイミングでこれをどうして買う必要があるのかと思いますよね?などのように、相手が気にしているであろうポイントをあらかじめ答えてあげることで、心理的な壁が取り除かれることもあるだろう。

今回は、一流の営業パーソンについてどのような特徴があるのか、生稔氏の「雑談の一流、二流、三流」の中からヒントに金融営業にも通じる点をいくつかピックアップしてきた。
営業のみならず、交友関係や男女関係においても汎用性のある内容である。ぜひ本書を手にとって、自身のビジネスの参考にしてもらえたら幸いである。

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